公益財団法人 清風苑

煎茶礼式の世界煎茶禮式の世界お知らせ英語トップページ
煎茶と道具 - こころと美

清風苑 煎茶道の世界で使われるお道具は、たくさんの種類がありそれぞれに使われる用途や意味があります。
中には日常の生活に使われるものも多くありますが、歴史的な道具を見ることは、生活文化としての影響を知ることにもつながります。
煎茶道の道具を通じ、日本の文化としての側面、美術的な側面、生活文化としての側面を知ることは、歴史的な役割の発見へと導いてくれましょう。
いずれも、用と観が共に合わさったものこそ、煎茶道の道具としての美を供えているとも言えます。

急須 - kyusu

清風苑 一般になじみの深い道具ですが、煎茶の世界より一般家庭に普及した代表的道具といえます。
全体のバランス、手や口の角度、蓋の付けかた等、美術的観点で見れば製作技術を要する道具であり、名工による名品と呼ばれるものも多く伝えられています。 語源は、「須べからく急す。」

炉屏 - robyo

手前の座をしきる屏風です。

他にも、建水(けんすい)、棚(たな)、茶巾筒(ちゃきんづつ)、盆巾筒(ぼんきんづつ)、水注(すいちゅう)、湯沸(ゆわかし)、茶托(ちゃたく)、炭籠(すみかご)、炉扇(ろせん) 等さまざまな道具があります。


煎茶と掛け物 - sencha & kakemono

床の掛け物には、主なものとして、書、画があります。 書は、禅僧の墨蹟、また漢学者、教育者等の漢詩が用いられます。
画は、文人画、南画が用いられ、煎茶の画の特色とも言えます。

文房飾り - bunbo-kazari

清風苑 「文房」とは書斎のことであり、書斎に常備され日常供される諸具のことを「文房具」と言いますが、次第に観賞道具としての側面が深まっていきます。
そのなかで特に重んじられたのが、硯、墨、筆、紙であり、文房四宝と言います。
文房清玩という言葉もあるように、文房具を飾り観賞することは文人の嗜みとされています。
その流れのもと、煎茶席で文房具を脇床等に飾りつけされることが多く、四宝以外に、硯屏、墨床、印章、筆筒、碗枕、水滴、筆架、水盂、石 等さまざまな道具があります。

盛り物 - morimono

清風苑 煎茶席の飾りで、盛り物があります。
野菜や果物等を飾りつけますが、その飾り方には雅題があり、吉祥などの意味合いを持っています。
文人画の画題にもとづいた飾りつけも多く、季節を表すと同時にその意味を感じとります。
■不老長春(松とバラの飾り)
■平安大吉(竹と柑橘類)
■玉堂富貴 (蘭 海棠 富貴)
■百事如意(百合根 柿 霊芝)
■歳寒三友 (松 水仙 椿)   等